新規会員登録で500ポイントプレゼント!

大切な思い出になる革製品。Leather Studio Thirdの革職人がお客さまに伝えたい想い

お客さまが笑顔に、そして革製品を好きになってもらえるような製品を生み出し続けている、「Leather Studio Third」。今回はそんなLeather Studio Thirdの店長を勤める革職人・松崎 由江さんへインタビューを行いました。
「出来ないとは言わない」をモットーとしているLeather Studio Thirdだからこそ、職人として革製品と向き合う姿勢にはさまざまなこだわりが込められています。

松崎さんが革職人を目指されたきっかけや、革製品づくりに携わる上で大切にされていること、そして、Leather Studio Thirdが店舗を構える福山市の魅力までたっぷりお話ししていただきました。特に松崎さんがご担当されている「ランドセルリメイク」については詳しくお聞きしています。

Leather Studio Thirdの想いや魅力を知ることで、皆さんもより「もの」に対する愛着が深くなるでしょう。

リメイクの魅力を感じて踏み出した、革職人への道

——まずは自己紹介をお願いします。

「Leather Studio Third」で14年、働いています。店長の松崎 由江と申します。よろしくお願いします。

——代表の三島さんとの出会いを教えてください。

実は三島とは小学校と中学校が同じで幼馴染なんです。クラスは違ったので、当時はあまり話すことがなかったのですが、高校生になってから共通の友人を介して再会しました。

その後、社会人になってからご縁があり、始めは三島の実家の革屋さんで革職人として働かせていただくことになりました。三島が独立して3年後に今のLeather Studio Thirdへ声をかけて貰って、そこからは一緒に働いています。

——高校生から革職人を目指されるまで期間が空いていたと思うのですが、元々革職人になりたいと考えられていたんですか?

最初から革職人を目指していたのではなく、徐々になりたいと考えるようになりました。
元々私は服飾の専門学校に通っていまして、卒業後にヴィンテージショップに勤めていました。ヴィンテージショップもさまざまな歴史があり、商品ごとに作家さんがいることを知っていく中で、「どういう風につくってるんだろう」「誰がつくっているんだろう」と興味が沸いていったんですね。

ショップに勤めていた際にも、年代を重ねたヴィンテージ商品の修繕をすることもあって、革の鞄を直した時は本当に楽しかったです。だからこそ、ものを売るよりつくりたいと思う気持ちが自分の中で少しずつ大きくなっていきました。

——実際に革職人として働きはじめた当初の印象はいかがでしたか?

元々財布尾が趣味だったので、布を扱って服や鞄はよくつくっていたんですよ。それでも革になった瞬間これほど勝手が違うのか、と思いましたし、自分の中の基本が全部覆されたような感覚は今でもよく覚えていますね。

例えば、布で使うミシンと革で使うミシンは同じように見えて全く違うものなんです。それに、革は布と違って全く失敗ができないんですよね。布は縫い直しができるけれど、革は穴が開いたらもう修正できないんです。
後は、新品の布は端から端まで綺麗ですが、革は生き物なので場所や傷を気にしながら製作していかないといけないことも大きな違いですね。

そういう意味では本当に新しい挑戦で、今までの知識とは全く違うし、すごく面白いと思いました。

——特に面白いと感じたポイントはどこでしたか?

自分で考えてデザインして革製品をつくることもとても面白いのですが、私は作業の中でもリメイクが好きでした。
リメイクは元々あった製品を別の商品に生まれ変わらせる仕事です。例えば、鞄をペンケースにしたり、長財布をキーホルダーにしたり、今あるものをどう変えていくか、考える工程もとても面白いですよ。Leather Studio Thirdでは、革のコートや鞄のリメイクから始めました。

全く違う新しいものに生まれ変わるリメイクは、お客さま自身も全く想像できていないので、完成した商品を見て「あのコートがこれになったの!?」「すごい!」と驚かれる顔を見るのが好きですね。

思い出と家族への想いが詰まった「ランドセルリメイク」

——ありがとうございます。続いてはぜひ松崎さんの現在のお仕事についても教えてください。

革職人としての仕事内容にもいくつか種類があるのですが、その中でも私は主にランドセルリメイクを担当しています。リメイク商品は、お客さまに持ってきていただいたランドセルの状態を確認するところから始めます。
使用していた年数や劣化具合によってはヒビが入ってしまっている場合もあるので、状態を踏まえて「こういった商品はいかがですか?」と私たちからご提案させていただいています。その時に、リメイクした商品を誰が使うか、ご予算やご要望を相談しています。

実際に注文が決まったら注文書にはデザインのデッサンをするので、その中からご希望の商品を選んでいただいてから、私たち職人がランドセルカットをしていきます。
一つひとつ手作業でひとりのお客さまに対して、ひとりの職人が担当し仕上げていきます。

コロナ禍でお客さまが減ってしまった時も、ランドセルリメイクのご依頼は常にありました。皆さん、お子さまの思い出や家族を大切にする気持ちが強いのだと思います。だからこそ、リメイクの仕事は本当に素敵だと思いますね。

——ランドセルリメイクはとても思い出に残る一品ですよね。お客さまからはどういったリメイクのご要望があるんですか?

お子さまが小学校を卒業されるタイミングで注文される方は、お子さんご自身で使用されるペンケースが多いですね。それ以外にもお子さまが高校生や20歳になった時に記念として大切に保管されていたランドセルをリメイクをされる方もいらっしゃるので、その場合は名刺入れやポーチにされる方もいらっしゃいます。

後は、おじいさま、おばあさまにプレゼントする方は写真立てにされたり、最近ではコンパクト財布にされる方も増えています。

——お仕事で大切にしていること、気をつけていることを教えてください。

一番大切にしてることは、やはり革は生き物であるということです。生き物を使わせてもらってるという意味で、なるべく余りを捨てたくないんですよ。
なので、お客さまに長く綺麗に使っていただくためにも、まずは革をどう使うかは大切にしています。

そのためには、はじめに革読みを行います。革読みではいかにうまく綺麗に、端から端まで使ってあげられるか、尚且つ、革は部位によって弱さや強さ、傷や見た目も変わってくるので、どの部分が正面に適しているかを考えていますね。

革の状態を考える作業はとても細かいのですが、大切に使うためには最も重要な工程です。なので、生き物に対する感謝の気持ちを忘れないように、お客さまにもそれが伝わるようにしていきたいなと思っています。

スタッフみんなになんでも話せる、気の休まる場所

——職人としての仕事以外にも、ご担当されているお仕事はありますか?

革職人としての製作はもちろんですが、私は写真担当もしています。ウェブサイトやSNSにあげる写真の撮影やECショップの作成を行っていますね。

もうひとつ、スタッフみんなの風通しが良い人間関係も心がけています。私は代表の三島と同級生だからこそ、言いにくいこともはっきりと言い合える仲なので、スタッフの意見や働く上での意見を真正面から伝えています。ものをつくる人の心が病んでいたら、いいものも多分つくれないと思うんです。

だからこそ、スタッフが悩んでいるけれど社長には言えないことを社長に届けるという役割と、社長の気持ちをスタッフに届けるという役割が私の中で一番できる仕事だと思っていますね。

——松崎さんが思う三島さんの印象を教えてください。

三島は中学生の時から革製品づくりに携わっていたので、技術力が本当に高くて革職人としての印象が強くありましたね。私は素人から始めているのでなかなか技術が上がらなかったところもあり、三島の技術を見て盗むように言われて、しっかりと背中を見て成長させていただきました(笑)

独立してからも始めは自分自身のこだわりが強い「職人」という雰囲気でしたが、少しずつ経営者として、会社やブランドを良くしていきたいという思いを感じるようになりましたね。

——松崎さんにとって「Leather Studio Third」はどんな場所ですか?

私にとってはスタッフみんなになんでも話せる気の休まる場所ですね。仕事だけではなくて、家庭のことや自分のちょっとした悩みも全て、みんなが受け入れてくれます。

もちろん、意見のすれ違いで言い合いもしますし、時には喧嘩もします(笑)
でも、お互いが支え合える環境だと思います。

革製品を愛し、大切に使っていただくために

——「Leather Studio Third」では「出来ないとは言わない」をモットーにしていますが、難しい依頼にはどのように答えているのですか?

修繕に関しては作り直しやほつれている部分を補強するご提案もできますし、お客さまにとって金額が負担にならないようにていねいな相談を心がけていますね。
例えば、複数の選択肢をご提示して、お客さまが「こんな風にしたい」というご要望にお答えしたいと思っていますし、お客さまが思いつかないご提案をするようにしています。

——過去にはどのような修繕依頼がありましたか?

特に大変だったのは、金具関係ですね。変わりの金具を探すのも大変ですが、時間が経ってて錆びている金具を綺麗に外すのはかなり難しかったです。
修繕のご依頼を受ける革製品は、年数が経っているものが本当に多いので、匂いが強かったり、本体自体がボロボロになっていることもあるので、解体するにも慎重になる必要があります。せっかくお預かりしたので取り扱いには特に気をつけていますね。

後は外側はとても綺麗なのに内側がビニールや合皮でできていて、中がベタベタしてしまっているというご相談も受けます。その他にも手で持つところはどうしても、汗をかいたり水をよく含むのでボロボロになりやすいんです。なので、必要な箇所の貼り替えや交換は自然と多くなりますね。

——これまでの仕事の中で印象に残っているエピソードはありますか?

もう10年ぐらい前になりますが、店舗に置く定番商品を考えるにあたって財布をつくったんです。それはもう自分の中でも何度も何度も苦戦しながら、つくった思い入れのある商品になります。

自分自身でも使用して、使い勝手もすごく自信がある商品になったのですが、その財布を、10年以上前に購入された方がある日メンテナンスに来てくださったんですね。
今でも大切に使ってくださっていて「本当に使いやすいんだ」って言っていただけたんです。それだけではなく、「もしこれがダメになっても、もう一度この財布をつくりたい、使いたい」と言ってくださった時は心の底から嬉しかったですね。

——ぜひ今後の目標を教えてください。

私個人としては今後も修繕やリメイクの技術を増やしていきたいと思っています。
現代では「もの」という形がある商品は、かんたんに安く代替品が手に入ってしまうからこそ、すぐに捨てられてしまう時代でもあると感じています。

だからこそ、大切にされている「もの」は自分の父親や母親、大切な人から貰ったものであったり、自分の大切な思い出の一部を守っている人が増えていると思うんです。リメイクしてくださるお客さまも増えていますが、中にはそのままの形で今後も使いたいと考えられているお客さまもいらっしゃいます。
なので、私としてはよりお客さま一人ひとりの要望に沿って、革製品を大切に使えるお手伝いをしていきたいですね。

福山市で生まれ育った松崎さんが思う地域の魅力

——松崎さんは福山市のご出身だそうですが、幼少期を振り返って福山市の変わった、反対に変わってないと感じるところはありますか?

そうですね。変わったところは400周年を迎えた福山城ですね。
以前は古く懐かしさを感じるお城だったのですが、400周年にリニューアルされて、内部は今、博物館のようになっています。アミューズメントパークのように大人から子どもまで楽しめますし、宿泊サービスもあるので海外の方が泊まられている姿もみられますね。福山城は福山にとって、とても良いスポットになったと感じます。

変わらないと思うのは、福山の自然の景色です。地元の人しか知らない場所ですが、川口町から芦田川に向かっていく道から見える青い空と海、そして、福山の街並み。
私はその景色が大好きで、いつ見ても元気になりますね。今でもわざとその道を通って帰ったりします(笑)

福山を離れていた時も時々思い出していましたが、地元に帰ってきてからもその景色はずっとそこにあって、大切な故郷を感じる場所だと思います。

——ぜひ松崎さんから、福山市のおすすめグルメを教えてください。

おすすめのお土産は私がテイクアウトで一番ハマっている仕出し・弁当たかのさんのサバ重というお弁当です。
本当に美味しいので帰りに新幹線で食べるのもいいですし、お土産に買って帰ってご家族で楽しんでいただけたら嬉しいです!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。