食事のさまざまなシーンで目にするトマト。サラダやサンドイッチ、ハンバーガー、ピザやパスタなど、わたしたちの生活に根付いている野菜の一つです。
「栄養があるのはわかるけれど、どうしても食べられない」「見た目は美味しそうなのに、一口食べると苦手・・・」
それぞれの苦手要素に対策できる方法があるとしたら、トマトの印象をガラッと変えることができるのではないでしょうか。
そこで今回は、トマトが苦手な理由や、無理なく食べられるようになるための克服方法をご紹介します。
トマトのどこが苦手?

カゴメが幼稚園・保育園児から高校生までの子どもを持つ保護者を対象に行った調査では、トマトは子どもの嫌いな野菜ランキングの4位。ではトマトが苦手と思う人は、どの部分に苦手意識を持っているのでしょうか。
一口にトマトが苦手といっても、その理由は人によってさまざま。酸味が嫌いな人もいれば、種のまわりのゼリー状の部分が苦手な人、あるいは独特の口当たりに抵抗を感じる人も。
苦手な要素を正しく把握できれば、それに合わせた対策を選ぶことができるため、克服へのハードルはぐっと下がります。まずはどのタイプに当てはまるのかを確認しながら、トマトの苦手といわれる代表的な3つの要素を見ていきましょう。
食感が苦手な場合
トマトの食感が苦手な人は、「種の周りのゼリー状の部分」「果肉のざらざら感」「口に残る皮」など、ひとつの食材に複数の異なる食感が混ざっていることに対して不快に感じる傾向があります。
一方で、これらの部分には旨み成分(グルタミン酸など)、酸味成分(クエン酸やリンゴ酸)、ペクチン(水溶性食物繊維)が豊富に含まれています。実は栄養や美味しさがギュッと詰まった重要な部分です。
食感を和らげる工夫
皮の食感が苦手な場合は、湯むき・炙りむきをして皮をむきます。湯むきの場合はトマトのおしりに十字に切れ目を入れ、沸騰したお湯に10〜30秒ほど浸し、皮がめくれたら冷水で冷やし、皮を剥きます。
炙りむきもトマトのお尻に切れ目を入れ、ガスコンロで表面を軽く炙ります。皮にシワがよって来たところで火からおろして皮をむきます。
果肉のザラザラ感が苦手な場合は、細かく刻む、ピューレ状に濾す、ミキサーにかけるなど、なるべく原型を残さないように加工します。加工したトマトはスープやパスタソースなどに使うのがおすすめです。
ゼリー部分が苦手な場合は、トマトを冷凍するとシャリっとした食感に変わります。また、スープなどの水分の多い料理に加えたり、加熱してソースにすることで気になりにくくなります。果肉の厚い品種を選択すると、ゼリー部分が相対的に少なくなるため食べやすくなります。
酸味が苦手な場合
トマトの酸味の素は、クエン酸とリンゴ酸などの有機酸。この酸味はトマトの成長の過程で蓄えられますが、熟してくると甘味が増すことでバランスがとれた味になります。
酸味の原因はいくつかあり、まだ熟していないもの、日照不足で糖分が十分に作り出せなかったもの、そもそも甘さが少ない品種などさまざまです。
酸味を和らげる工夫
これらの成分は加熱することで分解されやわらぎます。クエン酸は170度以上で分解されるので、フライパンで炒めるか、弱火でじっくり煮詰めることで酸味が緩和されます。
また、トマトを加熱すると、細胞壁が壊れて旨み成分のグルタミン酸が溶け出し、さらに別の旨み成分であるグアニル酸が生成されるため、旨みが格段にアップ。
ほかにも、乳製品と合わせて食べることで酸味がまろやかになり、トマトが苦手な方でも食べやすく感じられるでしょう。
においが苦手な場合
トマトの独特の香りは、「トランス-2-ヘキセナール」や「3-ヘキセナール」という成分によるもの。
または、トマトに含まれる苦味成分のトマチンなどのアルカロイドが原因の香りです。天候不順などによる低温障害で発生することがありますが、人体に害はありません。
においを和らげる工夫
濃いめの味付けや油でコーティングすることで抑えることが可能。
オリーブオイルなどで炒めたり、酢と砂糖でマリネにすることでもにおいをごまかせます。

一口にトマト嫌いといっても、生なら苦手だけれどソースなら食べられる人もいれば、ジュースやピューレのように食感がなくなれば問題ない人もいます。その一方で、どれだけ加工してもトマト特有の風味が気になってしまう人もいます。まずはどのような状態のトマトなら食べられるのかを知ることが大切です。(松永 悠)
家族・子どものトマト嫌いをサポートするには

自分はトマトが好きなのに、家族にトマト嫌いな人がいるため食卓に出しづらい。そんな理由から、料理のレパートリーに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
トマト嫌いな人に無理やり食べさせようとしても根本的な解決には繋がりません。
頑張って食べさせるよりも、なぜ嫌いなのかに注目することが重要です。
トマトの食感・味・香りにはさまざまな要素があるのでそれに対するアプローチも多くあります。
原因を特定する
苦手なポイントは味・におい・食感など人によってさまざま。苦手な部分がわかれば、それに応じた調理法を選べます。
食べやすい品種を選ぶ
フルーツトマトや高糖度トマトなど甘味が強いものを試してみましょう。
または、トマトは食べられないけどミニトマトは食べられるという人もいるので違う種類に挑戦してみるのも良いかもしれません。
加工品を使用する
トマト缶やトマトピューレを使ったパスタソースや煮込み料理から始めてみるのもよいでしょう。加熱されたトマトは酸味が穏やかになり、食べやすく感じられることがあります。
特に、ケチャップやミートソースなら食べられるという方もいるのでおすすめの選択肢です。
はじめからトマトを食べるよう強要するのではなく、まずは少量を料理に混ぜてみたり、カレーのような味や香りの強い料理に取り入れたりするのがおすすめ。気付かないうちに食べられたという成功体験を少しずつ積み重ねることで、トマトに対する苦手意識が和らいでいくことも期待できるでしょう。

トマトの味わいは品種や下ごしらえによって味わいは大きく変わります。まずは無理のない範囲で食べやすいものから試し、個人に合ったトマトの楽しみ方を見つけてみるのはいかがでしょうか。(松永 悠)
トマトを美味しく食べるレシピ

苦手な原因が分かれば、それに合わせた調理法やレシピを選ぶことができます。実際に、加熱や味付け、食材の組み合わせを工夫するだけで、気になる食感や酸味、香りを大幅に和らげることも。
無理に生のトマトから挑戦する必要はありません。まずは「これなら食べられそう」と思える料理から始めることが大切です。ここからは、トマトの苦手なポイントに配慮したレシピをご紹介します。
トマトとたまごの中華風炒め(食感が苦手な人向け)

材料(2人分)
- トマト(中)・・・2個
- たまご・・・3個
- サラダ油・・・大さじ1/2
- ごま油・・・大さじ1/2
- 鶏がらスープの素・・・小さじ1
- オイスターソース・・・小さじ1
- 塩・・・少々
- こしょう・・・少々
作り方
- トマトはヘタを取り、一口大の乱切りまたは8等分のくし形に切る。卵はボウルに割り入れ、塩・こしょうを加えて軽く溶きほぐす。
- フライパンにサラダ油を入れて強火で熱し、溶き卵を流し入れる。大きくかき混ぜながら半熟状になるまで炒め、一度皿に取り出す。
- フライパンを軽く拭き、ごま油を中火で熱する。トマトを加えて炒め、油がなじんだら鶏がらスープの素とオイスターソースを加える。
- トマトが少し崩れてきたら卵を戻し入れ、全体を大きく混ぜ合わせながらさっと炒めて完成。
加熱によってトマトの果肉がやわらかくなり、卵が食感を包み込むため、生のトマト特有のザラつきやゼリー部分が気になる方にも食べやすい一品です。皮が苦手な方は最初に湯むきしてしまいましょう。
焼きカプレーゼ(酸味が苦手な人向け)
材料(2人分)
- トマト(中)・・・2個
- モッツァレラチーズ・・・100g
- オリーブオイル・・・大さじ1
- 塩・・・少々
- 黒こしょう・・・少々
- バジル(あれば)・・・適量
作り方
- トマトは5mm程度に輪切りにする。モッツァレラチーズもお好みの厚さに切る。
- 耐熱皿にトマトとモッツァレラチーズを交互に並べる。
- オリーブオイルを回しかけ、塩、黒こしょうを振る。
- オーブントースターでチーズが溶けて軽く焼き色がつくまで4〜5分焼く。
- お好みでバジルをちらして完成。
トマトの酸味が苦手な方には、チーズと組み合わせたレシピがおすすめです。加熱することでクエン酸が分解され酸味が和らぎ、チーズのコクとまろやかさで食べやすくなります。
加熱によって甘みも引き出されるため、トマト克服の第一歩としてもおすすめのレシピです。
トマトのマリネ イタリアン風味(においが苦手な人向け)

材料(2人分)
- トマト(中)・・・2〜3個
- オリーブオイル・・・大さじ3
- 白ワインビネガー・・・大さじ1
- おろしにんにく・・・小さじ1/6
- 砂糖・・・小さじ2
- 塩・・・小さじ1/3
作り方
- トマトを食べやすい大きさにカットする。
- フライパンにオリーブオイルを入れて温め、切ったトマトを炒める。(油が熱々になってからトマトを加えると水分がはじけて危ないので、温まってきた段階で加えるようにしましょう)
- 火からおろして白ワインビネガー、おろしにんにく、砂糖、塩を加えて混ぜる。
- そのまま器に盛るか、別容器に移して冷蔵庫で冷やす。
生のトマトは苦手でも、火を通して味や香りを加えることで風味も味もガラッと変わり食べた時の印象も変わります。香りが苦手な方は、まずは苦手な香りをかき消すような一品から始めてみましょう。
トマトのクレープ(体験型の楽しみでアプローチ)
材料(2人分)
- トマトジュース・・・100ml
- たまご・・・1個
- 粉チーズ・・・大さじ1
- メープルシロップ・・・小さじ1
- 片栗粉・・・10g(約大さじ1)
- 米粉・・・20g
作り方
- トマトジュース、たまご、粉チーズ、メープルシロップを入れてよく混ぜる。
- 米粉・片栗粉を加え、さらに混ぜる。
- 深さのある皿にラップをぴんと張り、その上に生地を薄く広げる。
- 600Wで1分30秒加熱する。
- お好みでギリシャヨーグルトとはちみつなどを巻いて完成。
包丁を使わなくてもできるレンジで簡単に楽しめるレシピ。おやつ感覚で手で巻いて食べられるので、野菜苦手な子どもでもたのしく食べられそうです。チーズやベーコンを巻いたらピザ風のクレープも楽しめます。

私のおすすめはトマトとたまごの中華風炒めです。チーズやエビを入れるアレンジも簡単に美味しくなりおすすめなのでぜひ試してみてください。(松永 悠)
食べやすいトマトの選び方

トマトの克服方法を理解しても、なるべく苦手な要素はなくしたいですよね。
そこでトマトの選び方のコツを紹介します。店頭に並んだトマトを見る視点が変わるはずです。
品種
スーパーでよく見かける大玉トマトの代表格の品種である「桃太郎トマト」はしっかりした旨みとちょうど良い酸味が特徴です。
他にも、ゼリー部分が少なめの果肉がしっかりした「りんか409」や、ジューシーで甘味が強い「サンロード」などがあり、いずれも私たちが日常的に目にする機会が多い品種です。
個体
見分けるポイントはまず、「ヘタがみずみずしい緑色でピンとしている(鮮度)」「皮にハリとツヤがあり、お尻に白い筋(スターマーク)がある(甘さ)」「手に持ってずっしり重い(密度)」の3点をチェックしましょう。
ゼリー部分が苦手な方は、なるべく形が綺麗なトマトを選ぶのをおすすめします。
綺麗な丸いトマトは、内部の果肉の厚みが均等に育っているので、水分や栄養が全体にバランスよく行き届いている証拠。
そのため、形が綺麗で触った時に弾力があるものを選ぶことで、果肉が詰まったトマトを選ぶことができるのです。

糖度の高いトマトは水に沈むそうです。沈んだトマトほど甘い可能性が高いと聞くと、一度試してみたくなりますね!(松永 悠)
OMOTENASHI STOREのトマト

OMOTENASHI STOREで取り扱っている「ヨダファーム」は60年間トマト一筋で生産・販売を行っています。
長年の技術と愛情を注ぎ込んで育てられたトマトは、皮が薄くパリッとした食感が特徴。ぎゅっと詰まった果肉からは濃厚な旨みがあふれ、従来のトマトと比べて青臭さや酸味が少なく、皮の硬さを感じにくいため、トマト特有の風味や食感が苦手な方でも食べやすい味わいです。
トマトへの苦手意識が薄れてきたら、シンプルにそのまま味わう楽しみ方もできるかもしれません。 「ヨダファーム」の代表・功刀さんによると、常温のトマトを包丁で切らずに丸かじりするのが最も美味しい食べ方とのこと。克服したあかつきには、そんな食べ方を楽しめる日が待っているかもしれません。
トマトは、健康と美容を支える栄養素をたっぷり含む食材です。せっかく食卓に取り入れるのであれば、風味や食べやすさにもこだわった上質なトマトを選びたいもの。トマト嫌い克服のファーストステップとしても、ヨダファームのトマトはおすすめです。
まとめ
トマトにはビタミンCやリコピンなど健康や美容に役立つ成分が多く含まれているので、日常の食事に取り入れたい野菜の一つと言えるでしょう。
子どもの頃トマトが苦手だったものの、大人になって克服することができたという人も少なくありません。実際にカゴメが行った調査でも、トマトは大人になってから食べられるようになった野菜の4位に位置しています。その理由としても、「子どもの頃からの味覚の変化」「大人の味として受け入れるようになった」「調理法を変えることで克服できた」という意見が多くみられました。
まずは無理に生のまま食べようとせず、まずは苦手に感じるポイントをはっきりさせましょう。そうすることで加熱したり食感を変えたり、他の食材と一緒に食べることでトマトは食べやすくなっていきます。少しの工夫で印象が大きく変わる食材だからこそ、美味しく食べられる方法が見つかるはず。
今回紹介した工夫やレシピを参考に、少しずつトマトに慣れていくことで、苦手だった方でも美味しく食べられるようになるきっかけになれば幸いです。

「トマトは苦手だから」と決めつけず、さまざまなパターンで調理してみると意外な美味しさに気づけるかもしれません。この記事が苦手克服につながれば幸いです。(松永 悠)












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