年中みかんがとれる町として有名な三重県御浜町のみかん農家「ゼロイチふぁ〜む」。
みかんを大切にする栽培方法でありながら、どこにも負けない味へのこだわりを持って、みかん栽培に取り組んでいます。
「こたつにみかん」といわれるほど、古くから冬の風物詩として日本全国で愛されてきたオレンジ色に輝くみかん。それだけではなく、まだ青い状態でもしっかりと甘さを感じることができる早取りのみかんも栽培されています。
一粒食べると甘さと酸っぱさのバランスがちょうどよく、爽やかなみかん本来のおいしさを口いっぱいで味わえます。
今回はゼロイチふぁ〜むの代表・山本 善幸さんへ、みかんへのこだわりやおいしさの秘訣、詳しい栽培方法までお聞きしました!
ゼロイチふぁ〜むのみかん
「ゼロイチふぁ〜む」では、9月中旬〜10月中旬にかけて極早生温州みかんを、11月中旬〜12月中旬にかけて早生温州みかんを販売しています。
栽培を行っている土地・三重県御浜町は、温暖な気候と水捌けの良い土壌が、柑橘類の栽培に適しているため、古くからさまざまな種類のみかん栽培が盛んに行われてきました。
現在でも年中みかんのとれる町として知られています。
日本にある数々のみかん産地の中でも、ゼロイチふぁ〜むのみかんは農業共同組合(JA)でトップレベルの評価を受けるほど高品質のみかんです。
ゼロイチふぁ〜むのみかんの特徴
「ゼロイチふぁ〜む」では10以上の糖度を目指してみかん栽培を行っています。
子どもから大人まで愛されるみかんの味は、甘さだけではなく、コクや程よい酸味まで大切にされたバランスが必要。
口に入れた時に思わず「おいしい!」と溢れてしまうほど、しっかりとしたみかんの旨みを感じることができます。
みかんという果実特有のじょうのう(果肉を包む透明の膜)も非常に薄く、みかんを剥いた時に破れてしまうほど。歯触りがよく、口の中に残る感覚も少ないでしょう。
誰でもおいしく食べやすいみかんであることはゼロイチふぁ〜むのみかんの最大の特徴です。
ゼロイチふぁ〜むでは「菊みかん」と呼ばれる表面が菊の花のようにぼこぼことしたみかんが多く実ることも。菊みかんは品種ではなく、水不足の状態で育ち甘味と酸味が詰まったみかんのことを指し、ひとつの木に対しても多く取れるものではありません。
一見すると、見た目の良くないみかんだと感じられるかもしれませんが、みかんのおいしさが濃縮された味を楽しむことができるでしょう。
菊みかんを見つけたら、ぜひ他のみかんと比べながら食べてみてください。
極早生温州・早生温州とは
極早生温州・早生温州は生育期間と収穫時期によって呼称が変化しており、実は同じ品種です。
極早生温州みかんは9月〜10月にかけて旬を迎える、まだ青い状態のみかん。
冬を迎える前に収穫されるため、甘さだけではなくバランスの良い爽やかな酸味を感じることができます。
11月頃に収穫を迎える早生温州みかんは極早生温州よりしっかりと色が乗ったオレンジ色のみかん。こたつを出す時期にぴったりの甘さとコクを感じられるみかんです。
極早生温州みかん、早生温州みかん以降に収穫されるみかんは、中生みかん、晩生みかんと呼ばれ、それぞれ11月下旬〜3月頃にかけて流通します。
みかんの木を守り続ける栽培
「ゼロイチふぁ〜む」の山本さんは、みかん栽培において何よりもみかんの木を守ることを大切にしています。
木を自然に任せるのではなく、必要なのは日々の変化や状態見て適切な肥料を与え、水やりをすること。1本の樹木から長くみかんを作り続けることです。
人の手を加えるだけではなく、農業用の設備には惜しみなく力を注ぎ、1人でも広大な畑を管理できるような仕組みづくりも行っていました。
山本さんは「木を守り続けなくてはおいしいみかんを毎年、お客さまに届けることができない」と、お話しされています。
糖度10以上という基準も、それ以上に高い11、12を目指すと木に負担がかかりすぎる場合があるそう。たった一度おいしいみかんを作るのではなく、おいしいみかんを毎年作り続ける栽培を行っています。
土壌と品種のマッチング
「ゼロイチふぁ〜む」のみかんがおいしい秘訣は、土壌と品種のマッチングにあります。
みかんの木に限らず、闇雲に選んだ畑で栽培をしても果実はおいしく実らないそうです。
水捌けが良く乾きやすい畑は早生温州みかん・極早生温州みかんが合いやすい。水持ちが良いところはレモンが良いなど同じ柑橘類であっても種類によって適した土壌があります。
庭で育てたみかんと、みかん農家さんの畑で育てられたみかんは全く味が違うと感じられている人も多いのではないでしょうか。
育て始める時、土壌を見極めることは難しさもありますが、データや経験則に基づいて必要な情報を考えながら栽培を実施しています。天候や気候など自然環境によっても変化する状況に応じて、試行錯誤を繰り返しているのです。
その中でも、本州の中ではほぼ最南端に位置する紀伊半島の御浜町は、柑橘類の栽培に適した水捌けの良い土壌を有しています。
南部特有の温暖な気候だけではなく、最適な雨量と日射量。歴史的に見てもみかん栽培に力を入れ続けてきた町全体の風土が重なっているからこそ、現在もさまざまな柑橘類の栽培が盛んなのです。
御浜町はどこを歩いてもみかん農園を見ることができ、至るところでみかんへの愛を感じる取り組みがされています。
すべてのみかんに栄養を与える低樹高栽培
「ゼロイチふぁ〜む」では、すべてのみかんに十分な栄養を与え、どの部位になったみかんであっても甘さを維持するためにすべての木が低木で育てられています。
みかんの木はそのままの状態で栽培を行うと3メートル以上に成長することもあるそう。
収穫量自体は増加するかもしれませんが、木の背丈が高いということは低いところに日の光が当たりにくかったり、木の上部になる実に栄養が行き渡りにくいといったデメリットがあるのです。
収穫においても手が届かない高さになると脚立が必要になるなど、大きな作業ロスが生まれます。誰であっても収穫可能な状態にすることで、効率化も測っています。

みかんの農地が家から近く、管理がしやすいのもつよみ。
みかんの木の殺虫や殺菌を行う防除機械を導入したり、肥料の散布や灌水も機械で行っています。省力化に特化しているからこそ、みかんに対して向き合う時間をじっくりとれる。みかんの木を守る栽培に集中できる環境です。(山本 善幸)
みかん栽培へのこだわりは徹底した水管理
木を守り続けながら、おいしいみかんを栽培するためには水管理重要なポイント。「ゼロイチふぁ〜む」では主にマルドリ方式と少量多潅水を採用しています。
マルドリ方式で継続的に栽培する
マルドリ方式は「マルチ栽培」と「ドリップ灌水」を組み合わせたおいしいみかんを継続的に栽培する方式です。
「マルチ栽培」はみかん農園の地面にマルチシートという農業用のシートを敷いて、雨が降った際に地面へ水分が吸収されることを防ぐ栽培方法。
「ドリップ灌水」は畑全体に張り巡らせた管から点滴のように水を与える水分管理です。
樹木はストレスがかかることで、果実に養分を蓄える性質があります。
ふたつの栽培方法を組み合わせることで一年を通して、適切な水分管理を行うことで、木を弱らせずに、より甘く芳醇な味わいのみかんが収穫できます。栽培方法に頼るだけではなく、天候や気候、木の状態を見ながらこまめな調整することで、安定した収穫も心掛けているそうです。
少量多潅水で地中の水分を平準化
水管理において力を入れているのは、マルドリ方式だけではありません。
少量多頻度潅水ともいわれる潅水方法で、土の中の水分量を一定に保つため、潅水の時間間隔を短くし、1回あたりの潅水量を少なくする潅水方法を実施しています。
作物が必要とする量の水分だけを与えることで、木に適度なストレスを与えることが可能。
水を一度に与えるのではなく、点滴からぽたぽたと垂れる程度の水を10分間あげると、およそ1トンの水が畑に満遍なく行き渡るそうです。
地形や時間による水分量の変化を極限まで減らしていくことで、みかんは安定した状態を保つことができます。

おいしく甘いみかんを作るためには、適した土壌が欠かせません。
人の手で栽培に力を入れられるのは、見た目の綺麗なみかんを作ること。木を維持する防除、水の管理など限られた範囲だからこそ、元々の環境が最も大切なのです。(山本 善幸)
産地直送で新鮮なみかんをご家庭にお届け
皆さんは時間が経って水分と酸味が抜け、シワシワになったみかんを見たことはありませんか?
「ゼロイチふぁ〜む」のみかんは、スーパーで購入するみかんよりも遥かに新鮮な状態でご家庭に届きます。収穫されてから箱詰めされるまでのスピード感。選果場やスーパーを経由しないため、みかんが転がったり揺れたりする時間も少なく、ダメージは最小限に抑えられています。
それだけに瑞々しい青果に勝るものはないでしょう。
徹底した水管理と工夫を凝らした栽培方法によって、みかんの甘酸っぱい果汁がたっぷりと詰まってたゼロイチふぁ〜むのみかん。みかん本来の果汁が溢れるようなフレッシュさや、甘さと酸っぱさの両方を一度に味わえるのは新鮮である証拠です。
ご自宅に届いたら箱を開けて、ぜひすぐにひとつ食べてみてください。

ゼロイチふぁ〜むのみかんを知っていただき、みかんを食べる楽しみを持って旬を味わってほしいです。
家族で食べたり、誰かにギフトとして送ったり・・・何よりも楽しんで食べていただけたら嬉しいですね!(山本 善幸)
果汁が溢れる甘酸っぱいみかんをご自宅で
今回は「ゼロイチふぁ〜む」の山本さんへ、みかんへのこだわりやおいしさの秘訣、詳しい栽培方法までお聞きしました!
ゼロイチふぁ〜むのみかんは一度食べると病みつきになるおいしさがあります。
たくさんの想いと強いこだわりの中で育ったみかんは優しく豊かな味わいがあります。日々みかんの木と向き合い、守りながら栽培しているからこそ、これから先も長く愛されるみかんが作られていくことでしょう。
毎年の工夫によって、年ごとの味の変化を感じられるのも魅力のひとつ。
今年だけしか食べることができないみかんを、ご自宅でぜひ味わってみてください。

甘くて程よい酸味がある極早生温州・早生温州みかんを、皆さんのご自宅に早くお届けします。スーパーで購入するよりもフレッシュで、果汁が溢れる魅力をぜひ感じてみてください。
こだわりが詰まったゼロイチふぁ〜むのみかんを食べて、「おいしい!」と思っていただけたら嬉しいです。(山本 善幸)